2016年07月09日

本紹介『銀行王 安田善次郎』 §219

九鬼トシユキです。

安田善次郎。




本を読むまで全くその名を知らず、
読み進めていくうちに、
実は栃木県と深い関係があったことを知りました。


安田商店を営んでいた両替商の善次郎は、
明治時代のはじめに栃木県の為替方となります。
為替方というのは、栃木県の税金を管理して明治政府に送る役目でしょうか。

栃木県の為替方となった善次郎は、
安田商店の支店を栃木市と宇都宮市に設けます。
安田商店の最初の支店となったのがその2店のようです。

また善次郎は、
両毛線と水戸線の設立にも関与しています。
鹿沼市には帝国繊維の工場がありますが、
その前身である下野麻紡織にも善次郎が関与しています。

栃木県と関わりが深い善次郎。
なぜ今まで知らなかったのか…

私の不勉強もありますが…
善次郎は、金持ちのケチと人々から見られ、悪い評判のまま(誤解を受けたまま)歴史に埋もれてしまったようです。

実際には、「陰徳を積む」ことを常日頃から実践していた人物です。
良いことをしても人に言わず自慢せずです。
お金に関しても私的な贅沢を慎み、会社のお金に関しても厳しい人です。
事業の援助要請があればしっかりとその事業をまず調べ、大丈夫ならば惜しみなく金を出し、おかしい点があれば金は出さない。

善次郎と接した人ならば、善次郎のそういう面が分かったかと思いますが、接したことがない人からすれば、善次郎は金持ちです。
超がつくほどの大金持ちです。


人は良いことは目につきにくく、目についてもすぐに忘れてしまう。
一方の悪いことはすぐ目につきやすいし、それが誤解だとしても、なかなか忘れずに残り続けてしまうのかもしれません。

善次郎は誤解されたまま人々の記憶に残り続けてしまった。
それが、ようやく見直される時期に来たようです。

私も歴史を学ぶ者の1人。
特に感じ入るのは、歴史における先入観は物事を見えにくくする厚い壁ですね・・・


善次郎の足跡は今でも見られます。
保険会社「明治安田生命」、東京大学「安田講堂」の「安田」は善次郎の安田です。
「みずほ銀行」もそうです。
善次郎の安田商店は安田銀行となり、安田銀行が富士銀行に。
その富士銀行は第一勧業銀行、日本興業銀行との合併によってみずほ銀行となっています。

安田善次郎の子孫もよく知られた人物。
ビートルズのジョン・レノンの妻、オノ・ヨーコは善次郎の曾孫です。


今日もありがとうございます。

☆フォーチュン九鬼☆


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2016年01月31日

本紹介『僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。』 §210

九鬼トシユキです。

今回は本紹介。
出雲充『僕はミドリムシで世界を救うことに決めました』ダイヤモンド社




誰もが知っているミドリムシ(学術名はユーグレナ)。

ミドリムシは優秀な力を持っており、
その力によって地球規模で活躍できる日が、
もう間近に迫っているかもしれません。

まず、
ミドリムシが持つ栄養素は59種類もあり、
食糧不足問題を解決できる可能性を秘めています。

また、
ミドリムシが作り出す油は石油の代わりにもなり、
化石燃料の枯渇問題も解消できてしまいます。

そのミドリムシは光合成によって増えるため、
二酸化炭素の削減にも繋がります。

まさに優秀すぎるミドリムシですが、
このことを知っても、
ミドリムシが?へぇ〜
という単純な感想を真っ先に持ってしまうのは、
もしかすると私だけではないかもしれません。


食糧問題を解決し、
石油の代わりにもなりえるのは、
大量生産が可能になったら・・・の話です。

ミドリムシは食物連鎖では一番下にいます。
非常に弱い存在です。
外敵からの攻撃を守らなければ、
大量生産することはできません・・・

あれ?
テレビやドラッグストア等で、
ミドリムシの名前を見かけますよね?

そうなんです。
日本はミドリムシの大量生産に成功しています!

大量生産を可能にする技術は、
不可能と思われていたものなので、
非常にハードルが高い壁です。

ところが、
日本の技術力は、
どんなに高い壁でも分厚い壁でも、
それを乗り越えてしまう力がある。

ミドリムシの可能性にわくわくすると同時に、
日本の素晴らしさを再確認できます!

今日もありがとうございます!

☆フォーチュン九鬼☆


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2015年11月30日

『タテ社会の人間関係』(本紹介) §206



九鬼トシユキです。

今回は本紹介。

中根千枝『タテ社会の人間関係』講談社現代新書




日本社会における、
日本人の対人感覚を、
見事に考察し、
そんな感覚は特に意識したことないが…
言われてみれば確かにその感覚を持っている!

と、
我々日本人が持っている主観的な感覚を、
本書を通して客観的に見つめることができます。



まず、
タイトルにある通り、
日本人の対人関係はタテ社会です。

人間関係を構成するものとして、
「場」と「資格」があり、
場がタテ関係を生み、
資格がヨコ関係へと展開していきます。

場は、
会社とか家族親族など、
人が属するものです。
一方の資格は、
同じ肩書きを持つ人です。

場の内部である人同士、
例えば会社内部でも同じ社員同士は、
同じ肩書きなのでヨコ関係になります。

ところがです。

日本人の特徴として、
仕事ができるできない、勤務年数云々など、
上下関係を自然と意識してしまいますので、
場の内部でタテ関係が生まれます。

また、
日本人は所属意識が強い傾向にあります。
そのために、
同じ場であれば、
「うちのもの」となり、
その人間関係は非常に強い!

同じ場に属する「うちのもの」に対して、
他の場に属する人は「そとのもの」になるために、
場と場の交流が生まれづらい。



本書は、
1967年に出版されたものです。

当時と今とでは、
身の回りのものや生活スタイルが変化していますが、
変わらない部分もあります。

対人感覚でいうと、
このタテ関係が変わらない部分で、
昔から変わらず日本人が持っているものです。

どんなものでも一長一短あるので、
場面場面によっては弊害になってしまう点もあります。

それでも、
日本人が持っている感覚を、
客観的に見つめてみると、
それぞれ学ぶ点は大いにあるでしょう。

今日もありがとうございます!

☆フォーチュン九鬼☆


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